2025年12月13日(土)・14日(日)、東京二期会はベルリオーズ『ファウストの劫罰』を上演する。これはこの作品を機に新たに始動する音楽と映像が融合する「没入型オペラ」〈東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ〉の第1弾となる。

〈東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ〉は東京二期会が2025年に新たに始動する、音楽と文学の融合をテーマに掲げたセミ・ステージ形式のオペラ企画。オーケストラと歌手による演奏を中心に、照明や映像などの演出を加えて物語性を深め、作品の文学的背景や思想をより立体的に表現しようとする試みだ。
その第一弾となる物語はゲーテの名作『ファウスト』を原作にしたベルリオーズの代表作。人間の欲望、愛、魂の救済を描いた壮大な音楽劇である。
指揮を務めるのは、フランスの俊英マキシム・パスカル。東京二期会とは2025年7月『くるみ割り人形とイオランタ』、2021年8月公演『ルル』などで共演しており、2026/27シーズンからはベルリン・ドイツ・オペラ首席客演指揮者に就任が決定している。映像演出は、劇団☆新感線や宝塚歌劇、スーパー歌舞伎Ⅱなどで知られる映像クリエイター上田大樹。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(ロンドン・バービカン)でも舞台映像を担当し、国内外で高い評価を受けている。
パスカルと上田は、2021年の東京二期会『ルル』でもタッグを組み、音楽評論家団体ミュージック・ペンクラブ音楽賞を受賞した。この2人のペアが、『ファウスト』の物語にどのような命を吹き込むのか、期待される。

指揮:マキシム・パスカルⒸGuillaume de Sardes
![]() ファウスト:宮里直樹Ⓒ深谷義宣/aura.Y2 |
ファウスト:山本耕平 |
タイトルロールのファウストを務めるのは、日本を代表するテノール、宮里直樹と山本耕平のダブルキャスト。マルグリート役に小泉詠子/池田香織、メフィストフェレス役に北川辰彦/友清崇ら実力派歌手。演奏は読売日本交響楽団に二期会合唱団が加わる。
また、東京二期会では翌2026年にシューマンの『ゲーテの「ファウスト」の情景』(指揮:セバスティアン・ヴァイグレ/読響)を上演予定。ベルリオーズとシューマン、2人の巨匠が描いた「ファウスト」を2年連続で鑑賞できる機会となる。
![]() マルグリート:小泉詠子 |
マルグリート:池田香織 |
■公演概要
東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ第1弾
エクトル・ベルリオーズ『ファウストの劫罰』(日本語字幕付・原語[フランス語]上演)
日程:2025年12月13日(土)・14日(日) 各14:00開演
会場:東京芸術劇場 コンサートホール
指揮:マキシム・パスカル
映像:上田大樹
出演:宮里直樹/山本耕平(ファウスト)、小泉詠子/池田香織(マルグリート)、北川辰彦/友清崇(メフィストフェレス)ほか
管弦楽:読売日本交響楽団
合唱:二期会合唱団
児童合唱:NHK東京児童合唱団
Art & Travelライター
西尾知子






